April 2024
《誰かが悲嘆(なげ)いていた 美しい杜(もり)が消滅(き)えるのをAh… 自分が居ない世の中 思い遺るような人間(ひと)であれと…》
(サザンオールスターズ 作詞・作曲:桑田佳祐)
この歌を偶然聞き 忘れられなくなりました
私の住まいの近くでは 毎日の様にどこかで樹を切る音が聞こえ 道を車で走っていると
「アッ ここも林が消えてしまった!」と知るのです
農家のお年寄りが嘆くのを聞きました
「自分が畑が出来なくなっても誰かにその畑を続けてほしい」 将来食料危機が来ることが無い様に「畑を続けて欲しい」
でも彼の息子は「自分は農業をやる気は無いから土地は売ってお金にして欲しい…」父親は仕方なく畑を手放し そこは分譲地になりました
私の子供時代 太平洋戦争になり 食べる者がどんどん無くなって行き
大豆の搾り滓(しぼりかす)を食べた幼い弟は下痢が止まらなくなり それより下の妹達は脚に腫瘍が幾つも出来ました
子供達に食べさせてしまい自分の食べるものが無かった母は「部屋の掃除も出来ない…」と云って出来る限り横になっていました
サザンの歌は続きます
《地球が病んで 未来を憂う時代に身近な場所で何が起こってるのだ? 分かり易い言葉で どなたか教えてくれませんか?》
不二子
雨から雪 晴天から急に雪 その翌朝にはかなりの積雪…桜の便りが届き始めてうれしくなっていたら またひどい寒波が来て…
こんな日々で私の気分は“ウツウツ”として考えることも消極的,悲観的になっていました
昨日「菜の花とショカツサイ」を高崎(群馬県)に行った方から頂き天然物の画材に飢えていた私は すぐに描きはじめました
この花達は広く続く原っぱで突然切られて活けられるという悲惨な運命に会いながら でも“生き生き”としています
私達人間の歴史より古くから 種をつないで来たかもしれないこの菜の花達に対し
私は小さく恥ずかしい存在のように感じながら描き続けました
この花々を見ていると鎌倉に住んでいた頃を身近かに憶い出します
菜の花の種は風に乗ったり車のタイヤに付いたりして どんどん新しい場所を自分達の土地にして行きます
でも これは私達が土地を自分の所有物とする行為とはまったく違い 自然破壊ではなく自然を美しく保つ仕事です
4月 新しい場所で新鮮な生活を始める若い人達に「良い事」が沢山ありますように
不二子