kamakura



 

 私は 布地が好きです

 幼い頃は 母の着物の色や柄が素晴らしく見えて 母が外出着に着替えた時は
近寄るのもためらいました 祖母の家 居間にあった メリンスの座布団も
行く度に見とれていたので 今もその柄を ハッキリと憶えています

 若い頃は スイスやスウェーデンのプリントに魅了され 現地で買い集めた
布地で 母や妹たち私の洋服のデザイン画を描き 仕立ててもらいました
 
 子供達が幼かった頃は 当時住んでいた高円寺(東京)の木綿屋さんの
小さな店を眺めるのが毎日の楽しみで 美しい綿サテンのプリントが入って
くると 買って 自分の洋服を縫い 安い生地を見つけると 子供達の衣類を手作りしました

 よだれがひどかった長男のためには タオル地の裏に ナプキンおむつを重ね
ミシンで縫い合わせ 周りをパイピングして 沢山のエプロンを作りました
年子3人の息子達の為に ネル地で作ったパジャマは それぞれ 上着2枚づつに 
ズボンは4枚づつ ズボンは濡らすので ひと晩に2枚使うからです


 



 4人目に やっと娘が生まれ大喜び・・・ 女の子用の洋服は 次々と縫いましたが これは娘には不評で「袖口にパパの古靴下が付いていた・・・」とか
今でもブツブツ言われています

 服作りを習った事はないので 縫い方は自己流ですが ドイツのファッション誌を取り寄せて それに付いている実物大型紙を使っていたので その出来栄えには満足していました

 子供の衣類でも 生地が1000円で 既製服が1000円だったら 生地を買って縫う
でも 800円で売っていたら それを買って 縫う楽しみはあきらめる と決めていました子育て中 ずっと貧しい暮らしでしたが 布地を見たり縫ったりすることで

 随分 豊かな気分を楽しんでいた と思います

 
   

 晩秋 布地プリントデザインの話があり 「嘘!」と思う程に大喜びしました

 でも 気付いたら 布地はずっと観る立場で楽しんでいたので 自分が作る
となると 何が欲しいのかも解らず 喜びの後に戸惑いが襲って来ました

 印刷物を見る時は ここを直せばもっと良くなるのに とか 刷り色が悪いとか・・・・反射的に考えてしまうのに 布地は批判的に見たことがなかったのです

 12月には 10柄のデザインを仕上げ その中から選ばれた6柄が 現在進行中です 試作の出来を見た時に「よし!」と思うのか「ヒェーダメだ」と打ちのめされるのか まったく予想も出来ず 今はただその日を待っています(2008.2.1)


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更新:2008年2月1日

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