軽井沢だより

 

 築30年以上になる鎌倉の家は 8人家族が暮らすように 私が基本の設計を考え みんなで賑やかに過ごし その後は 家族構成の変化に合わせて手を入れ 住み続けてきた家です でも 窓のわきに立って外を眺めている時など「ここは私の死に場所ではない」「ここで最後の時を迎えるのは 納得出来ない」と思い続けて来ました

 旅行がしないのではないけれど どこか違う場所に行き 知らない景色の中に立ってみたい・・・そして今とは違う私になりたい・・・

 どう違う自分になりたいのか 解らないのだけれど 何か解らない「なにか」に強く憧れ焦がれる感覚を消すことは出来なかったのです

 

 

   軽井沢の家で 早朝 目の前を流れる川に 朝日がキラキラ光るのを眺めていたら しばらく忘れていた あの感覚が戻って来て「ここが 私の最後の場所か?」という声を聞きました 


 50代半ばになってから 絵を描くことを仕事にするようになり このことが生活の中でどんどん大きくなっています
 絵の具と筆という 単純な道具を手に入れたことで「どの様に生きるか?」ということもとてもシンプルになりました
 世の中に起きる様々な事柄や 芸術作品と呼ばれている文学、音楽や絵画などに触れる時も 自分が絵を描く為というハッキリした目的があって その立場から理解しようとするので これも以前よりは楽になりました

 72歳になった今もなを 胸苦しいほどに憧れ焦がれている「なにか」も絵を描くということの先の方に見えるような でも かすかな気配でしかないものに対する想いです 

 10月20日からの個展に向けて 毎日絵を描いています 去年の個展に出品したものと 今年の作品は どの位違うものになれるのでしょうか・・・

 人 その日々は 草のよう その盛りは 野の花のよう その上を風が吹けばたちまち消えうせ そのありかさえわからない

 As for us, our life is like grass.  We grow and flourish like a wild flower, then the wind blows on it, and it is gone no one sees again. (PSLMS 103)

(9月1日)





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更新:2007年9月1日

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