私が4歳の頃 両親と一緒に ホテルの食事に招かれて出掛けた時のこと 私の席に大きなこげ茶のクマが座っていました 父が「頂いて良いんだよ」と云ったので そのクマを抱いて帰りましたが スイス人夫妻からのプレゼントだったので 直接私に「あげる」とも云われず 私も「ありがとう」も云えず・・・・
その事がいつまでも気持ちの中に引っかかったまま 高校二年になるまで そのクマと毎晩一緒に眠りました
私は外であった辛いこと いじめられた事など 親に話したことは無かったので それらのことは クマのKenが すべてを吸い取るように聞いてくれていました でも高校二年の春 喘息がひどくなり Kenの毛も気管に悪いのではと云われ 私はKenを庭に埋葬してしまいました Kenを失ってから 本格的な「苦しい時」が始まり そしてその「暗闇の時」は随分長い間続きました
今 一緒にいるWinは 10数年前 スイスのWinterthurという街に 半年間滞在して そこで絵を描いていた時に会ったクマです
鎌倉の留守宅で 嫌なことが起き それを家族から長距離電話で聞かされると 夜眠れなくなります 仕事を順調に進めるためには 規則的な生活を毎日続けなければと思い込んでいるので それはとても辛いことでした 何とか気持ちを立て直さなければ と迷った挙句 クマを買いました 一万円以上するクマは私には高価すぎる と考えましたが やはり欲しい と思ったのです