軽井沢だより

 

 私は鎌倉で満花の桜を眺め 軽井沢に移り また桜の開花を待ちます 毎年二回の桜と二回の紅葉を楽しめることは幸せです

 幼い子が絵を描いている時 そのイメージについて ひとり話しながら描き 絵はどんどん変化して もう終わりかな・・・とまたなにか続きを思いついて描き込んでいく・・・

 絵と頭の中にあるイメージが不確かにつながっている”視覚言語”と呼ばれている児童絵画と大人が描く絵は全く別のものと私は若い頃学んだ記憶があります

 「でも本当はどうなのでしょう?」

 

 


 最近 絵画と正面から対峙している大人が描いた油絵を観る機会があり 久々に「絵ってなに?」と思いました

 「私はなぜ絵を描くのか?」白い紙を目の前に置いて そこにただ「美しい花を見ようとしているのか?」「いえ 違う」「言いたいことが沢山あって描いている」「じゃあ 何が言いたいのか?」

 私は子供の頃 建築家になりたいと夢みていました その夢を ずっと引きずっていたので なんの疑いもなくコルビジェに憧れ 新しい建物やモダンな家具を美しいものとして 自分の中に受け入れてきました 建築は次々と目新しい物を見せてくれ 絵画やデザインも追いかけるように変化を続けていきます

 そのスピードに取り残されないように目を見開いて 全てを自分の中に取り込もうとしてきたつもりだったのが いつの間にか夢見ていたこととは離れ 別の道を歩いているようです

  ガラスが青空を写してキラキラ光る高層ビルを見上げながら そこに ネコジャラシが風に揺れる広い空地を想像してしまいます
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 それは この大きな建築が出来る前なのか それとも このビルが消滅した後の風景なのか解らないけれど 私の目は なにもないただ広い草原を見たがっているのです

 切られてしまう樹の悲鳴や舗装道路の下に閉じ込められている草の種の呻きを感じながら「自然の美しい営みを 絵に描きたい」と建築ラッシュに沸く軽井沢に戻って来て 今強く 思っています (5月1日)



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更新:2007年5月1日

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