先日 今回の個展会場に 香りを漂わせてくださる 調香師の島崎さんが 我が家に来られました 彼の別荘も 夜半 屋根に太い唐松が すごい音を立てて倒れかかったとの事 早朝 外に出たら唐松の香りが空気一杯に広がっていて「森の香りだ」と思われたそうです
私も 何本も道路をふさいで倒れている唐松の 裂けた幹が発する 美し過ぎる強い香りを「樹の臨終の香り」と感じ その悲痛な様相に涙がにじみました
以前から 唐松は根が浅いので 風で倒れるから 切ってしまわなければ と言う人が多く 別荘建築ラッシュの中 どんどん切られていました そして そこにこの災害です 今 唐松林は 生き残った樹々も 次の台風でまた倒れるだろうと言う事で 切り倒されています
近所のお宅の庭で 地上に突き出てしまって 空をつかもうとしている唐松の根っこの隣に 白いミナヅキアジサイが とても きれに見えます
その枝を頂いて帰る途中 道路わきの茂みに 唐松の芽が生き生きとしたグリーンで目を引きました 去年 実生で出たものの生き残りが 元気に育っているのです この唐松の芽も 何本か頂いて ミナヅキと一緒に活けて描いたら「静かな絵」になりました 私は密かに この一点が今年の個展での主役だ と思っています
Sさん 東京駅をお通りになることがありましたら 私の絵も見にいらしてくださいませ またお会いできることを 楽しみにしています
不二子
(10月1日) |