早朝から雪が降り続いた日、絵を描く気分にもならないので戸棚の整理をして過ごしました。古い日記を見ていたら

絵の具を皿に出す時はその分量に注意しなければいけない
色を塗る時は隣り合う色のバランスにもっと注意を払わなくてはいけない
人の表情を見る時はその奥に動く感情を読み取るようにもっともっと注意を深めなくてはいけない(1989)

 これはモランボン展を観に行った後書いた感想です。
 「今の私はこんな事を考えるかしら?」「あの頃は本当にこの様なことを思いながら絵を描いていたのかしら?」

 一枚の絵を描き終えるころ、毎回忘れずにすることは活けた花と花ビンをジーッと眺めて「どこに闇があるか?」探すことです。一番暗い所を見つけたらその部分に暗い色を入れます。黒い絵具は塗ると白っぽく見えて闇にはなりません。私は濃いオリーブグリーンと濃紺と焦茶色を混ぜて闇色を作っています。これを何回か塗り重ねて暗い闇の部分が出来上がるのです。最後に光る所を探し、そこに白を置きます。

 1989年頃の私は「もっとうまい絵描きになりたい」「一生懸命描き続ければ上手な絵が描けるようになる」と思い、また多くの人から好かれる人になりたいとも考えていたのでしょう。

 今の私にはいつの間にかあの頃のような上昇志向が消えていて、ただ「今日も描けた」 ということに満足しています。

 心の底に広がっていた暗い闇も消えかかっていて記憶の中だけで残っているという感じです。

 


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更新:2006年2月1日

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