11月下旬 軽井沢は突然冬の季節になりました。

 黒ずんでカラカラになった種を背丈の高い茎の上にくっつけたまま本当に枯れてしまったもの・・・。夏の頃より若々しい緑の葉が茂って地面に貼り付きそのまま凍って春が来る時を息がつめるようにして待とうとしているもの・・・・。または土の中にもぐり込んで静かに冬眠してしまったもの・・・・。

 植物の冬の過ごし方は様々です。

 バラの根元に寒肥をやり、黒いチップを毛布を掛けるように花畑一面に敷きつめました。次ぎ次ぎ花が咲いて描くことに追われていた半年が過ぎてしまえば一瞬の夢とも思えるような光景の変わりようです。

 

 

 新幹線の軽井沢駅からしなの鉄道に乗り換えて二つ目の駅「信濃追分」は無人駅です。駅を背にして立つと広い野原と林、その向こうに大きな浅間山が眺められます。この駅わきにある広い駐車場入口左側の土手に桃の木があり、私は毎年この桃の枝を頂いて描いていました。この駅舎の中に暮らしの手帖社の新しい雑誌「あたらさん」(もったいないの意とのこと)編集室ができました。

 先日ここを訪ね、「私のカレンダーのこの絵はそこの桃の実ですよ」「あら!来年が楽しみだわ」と編集長。

 駅を出て駐車場に行ってみたら桃の木はなくなっていて、芝を貼ったばかりのすっきりした土手に桜の細い苗木が一列に並んでいました。入口右側も新しい植栽でクリスマスの電飾がネットになって木を覆っています。

 ある日突然切られた桃の驚きと痛みはどんなだったのでしょう・・・。まだ元気に行き続けられた桃の木が切られてしまったなんて本当に「もったいない」ことです。

 軽井沢は冬とても厳しい所なので季節の変化が際立っていて「生と死」「時の過ぎゆく様」が自然を通して鮮やかに見えます。まもなく私は「季節」が不鮮明な鎌倉に戻ります。

 どうぞ良い年をお迎えになりますように。(12月1日)


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更新:2005年12月2日

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