|
家のすぐ近くのお宅、裏口の石段を上がった所に、今、白い花が咲いています。木の高さは2.5m位で、白花ライラックを小さくしたような美しい花房です。
目立たない場所なので、昨年までまったく気付かなかったのに、気付いてしまったら、そこは私にとって特別な所になってしまい、チョコと一緒に通るたびに立ち止まって見上げています。
この花は奄美大島、沖縄など(日本の中では最南部)が特産の常緑低木ゴモジュ (Viburnum suspensum) だそうですが、この一番寒い季節に、暖かい土地から来た木の花がなぜ咲いているのか・・・。もう少し暖かくなるのを待っていれば良いのに・・・と住み慣れた土地から異国に強制連行されたひとを思うような感じで、哀しくなります。ゴモジュの枝を頂いて描きはじめたら、また哀しい気分が溢れてきました。私の人生、違う道もあったのではないか?・・・あの時、別の選択をしていたら・・・もう少し心豊かな今日があったのでは?・・・とか。最近まで、私の人生、これで目一杯なのだと思っていて、迷うこともない状態にせっかくなっていたのに――この期におよんで、どうしたことでしょう。
つい3週間前までは、まぁ重症の喘息患者としては、そんなに自由な選択の余地もなかったし、うまくやってこられたなぁーと満足していたのです。もう少しだからこのまま精一杯やっていけば良いと思っていて、このままで最後安心して死ねると考えていたのです。
小さな白い花に出会った為に、また振り出しに戻ってしまったようです。別の人生やってみたい!と思うのだけれど、若い時からもっと絵を描き続けて旨いひとになりたかったか?と聞かれたら・・・それも面倒なことだしなぁー。
(2004年3月)
|