私が住む地域に明日大地震が起きても不思議ではない、と言われながらもう随分長い時間が過ぎました。
「老い」も同じような感じがあって、確実に来ると解っていても、まあ明日ではないだろう、そのうち準備しよう・・・と先送りしてきました。でも、2月中に私は69歳になります。老い仕度は70歳になる前に済ませて、あとは身軽に、と決めていたその時期が近づいてしまったのです。
鎌倉の家を老人用の住いに建て替えたいと密かに夢見て、頭の中では設計図を何度も描き直し、出来上がった外観までハッキリ頭の中に見えるほどに完成させていたのですが、どうも資金の方がついてきてくれません。
昨年、軽井沢から帰ってすぐ、鎌倉の住いのリフォームをはじめました。新しい家をあきらめて、今の住いを不自由な体でもなんとか使えるように直そうと決めたのです。2階にある寝室を1階に移す、その寝室にトイレと風呂を付ける、そして荷物を最小限に減らすことの3点を実行しました。
1階西側にある6帖間の押入れと壁を取り払い、その後ろにあった廊下までを寝室にしたら、廊下に接していたトイレと風呂は新しく作らなくてもそのまま寝室にくっ付いてしまいました。新しく付けたのは、部屋の隅の洗面台だけです。ベットは長い時間寝ていてもマットレスが湿気にくいようにと思い、家具売場を見て廻り、結局少し高さのある病院のベットのような白い金属製のものにしました。
昔、学生の頃、先生に連れられて行った家具の見本市で先生が、「家具は表面的なデザインに惑わされず、裏や底をよく見て、その構造で良否を決めるように」と言われたことを昨日のことのように思い出しながら探しました。
学生の頃には、どのように生きていくのか?という将来への不安があって大人になれば・・・と思っていました。子持ちになったら、子供の病気や生活していかれるのか?という経済上の不安が大きくなりました。子供が育ちあがってしまえばとそればかり待っていたような気がします。そして、今はどんな風に老いていくのか?という不安を毎日抱えていて・・・。でも、今はその不安を楽しんでいるような気がしているのです。
(2004年2月)
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