渋谷文化村ギャラリー展が無事終わりました。今年もとても大勢の方々がお越しくださいました。ありがとうございます。
会場に飾った78点の額の中に「りんごの絵」がありました。これは、りんごの枝を活けて描きはじめたら、実がコロコロっと次々落ちてしまい、最初の意図とは違う仕上がりになってしまったと思っていた作品です。会場で眺めていると、あらためてその構図が気になって書き直したくなりました。
私の妹はその「りんごの絵」がとても印象に残ったと言ったのです。画面が極めてワイルドだからかえって外への広がりが感じられたそうです。
私は絵を描くのに製図板にB2版の紙を水張りして、それを製図台に乗せて描いています。描く前に、まずこの素材は製図板をヨコに置くか、タテに置くかと考えます。紙のタテ、ヨコという制約の中で素材をそれにあてはめる癖がついてしまっているのです。もしタテ物を描こうとしたら、最初に画面の中心に垂直の線を引きます。それから下書き無しにどんどん絵具で描いていきますが、途中まで出来上がって見ると、垂直線に対してX形に交差する2線、さらにX軸があり、すべての線は中心よりやや上の方でひとつの点として交わるような構図になっているということが多いのです。これがキッチリと決まっていると描き上げた時に何かホッとした気分になります。
妹の何気ない言葉で、私は中心に向かって絞られていく構成が好きなのだと気づきました。でも、この次は、絵の外までゆるやかに広がりが感じられるような絵も描いてみたいと個展会場に居ながら切実に思いました。
東京からまた軽井沢に戻り、車で走っていたらまだりんごの実がいっぱい樹になっていました。もう今年は描けないとあきらめていたので大喜び。次の日、果樹園に枝をもらいに行きました。そして描いたのが今月のホームページでご紹介する「りんごの絵」です。この構図をご覧になってくださいませ。(またしても中心点のある構図になってしまいました。)
長い間このホームページの英文を書いていた智ちゃんが多忙となり、手伝ってもらえなくなりました。とても残念ですが、Englishは今号でクローズになります。英文で読んでいただいていた方々には今までのご愛顧を感謝します。
皆様、良い年をお迎えになりますように。
(12月1日)
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