私は、楽しい予定や友だちと会う約束などがあるとソワソワして絵を描く気が無くなってしまいます。出来る限り何かの予定を立てず、友達の誘いも断って単調な毎日を過ごすように心がけているのです。ですから、「軽井沢便り」に書きたくなるような目新しいことや事件は次の更新までの一ヶ月の間に起こりません。
でも、チョットしたキッカケで心の底に残ってしまう事柄は起きます。

川の流れの中にある杭に流された草が引っかかり、そこにまた次に流された枝が引っかかって・・・というように。
その次、その次と、私の感覚に触れたことが積もり積もって"今の私"があるように思います。水面下にある無意識の積み重なりの上に、水面上に見える私が憶えている感覚があるのです。

先日、テレビで"名曲誕生秘話"を観ました。ぼんやり眺めていたのに、香西かおりの"無言坂"の歌詞を画面上に見ていて、突然古い記憶の映像がハッキリ蘇りました。

 

 ――あの窓も、この窓も、灯がともり暖かなしあわせが見える――
18才頃の私は重症の喘息患者、発作を起こすたびお医者さんに行くのが大変でした。
電柱につかまってあえぎ、次の電柱まで這うように歩いてまたつかまって休む・・・
電柱に寄りかかって前の方を見たら、コンクリート作りの共同住宅があり、その窓には灯がともり台所に立つ人影が動いていました。
夕食の支度をする人は羨ましい・・・
私は自分が帰属する場所を持っていない孤独に、ヒィーヒィーと悲鳴をあげました。
 ――帰りたい、帰れない、ここは無言坂――
その日小雨が降っていたのに、傘を持つだけの力がないので傘もさせずに・・・
 ――あの町も、この町も、雨模様。どこへ行く、はぐれ犬ひとり――

作詞家ってすごいなぁ―
私ももっと注意深く心の杭を見るようにしなければぁ―

2003年9月1日




《今月のチョコ》

 

 

雨の日ばかり続き、散歩を楽しむことが出来ないチョコ


▼久しぶりにうす陽が射したので、家の隣にある空き地でコオロギを追いかけて遊ぶチョコ



2003年:
1月2月3月4月5月6月7月8月 |10月

2002年:
軽井沢だより 6月 | 7月8月9月10月11月・鎌倉だより 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 12月

2001年:5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

2000年:軽井沢だより1 | 2 | 3 | 4鎌倉だより1 | 2 | 3 | 4 | 5

トップへ戻る▼




更新:2003年9月1日

Copyright 2000-2003 Hashimoto Fujico
makiyanot@peace.ocn.ne.jp