|
|||
|
《ハブカレ野菜》 あなたへ 暑中お見舞い申し上げます 私は今、野菜の絵を次々に描いています。 箱の中に、きっちり整列することが出来ないキュウリやトマトの肩を持ち 不二子
《花色の記憶》 5月初めのある日 地下鉄を日比谷(東京)で降り、地上に上がったら 大きなグリーンの葉が重なる上に、大きなローソクを沢山立てたような マロニエの花に出会ったとき 私の中には時間を超えて何枚もの写真のように マロニエの花が咲く風景が見えます。 初めてマロニエの花を見たのは、チューリッヒ(スイス)の美術学校前の公園でした ウィンターテュール(スイス)の郊外にある、古い別荘の美術館では 次はこれもウィンターテュールの団地の中庭にあるマロニエで、ピンクや白花の樹がありました。夕方になるとそこに住む家族達が、樹の下でピンポンをしたり ただお喋りをしたりしています。 仕事のために家族と離れてそこにいる私はひとりで一日中絵を描いて過ごし 夕方になってもひとり・・・その光景を2階の裏窓から眺めて過ごし、この時も《私は異邦人なんだ》と足元に冷たい風が流れていくような感覚で立っていました。 日比谷は私の街だったはずなのに、異国のホテルは異国の樹も植えて、私を異邦人と錯覚させます。もしかするとマロニエは日本古来の樹なのかもしれないけれど、私にとっては異国の記憶と結びついた樹なのです。 古い映像も色あせることなく、新しい思い出と変わりありません。 それらの美しく咲く花々は、いつまでしっかりと脳裏に残っているのか 明るい色彩の花を描いている時に、私の中をふっとよぎる《虚しさ》はその不確かな感覚によるものなのかも知れません。
|
|
|
|
|||
Copyright by Hashimoto Fujico 2000 - 2009. All rights reserved. | Contact: makiyanot@peace.ocn.ne.jp